「家の見た目をお洒落にしたい」「センスある外観にする方法を知りたい」など、家づくりにおいて外観デザインに注力したい方もいるのではないでしょうか。
家の外観は、通りすがりの方への印象のほか、住まう方が帰宅するときなどの心地よさにも影響するため、家の内装とともに計画的に決めていきたいポイントです。
本記事では、お洒落な家づくりに必要不可欠な、住宅の外観の決め方を解説します。
家づくりでは、打合せ段階でイメージを形に落とすことが重要です。
ポイントを抑えながら外壁デザインや色を選択することで、センスよく好みに合った自分らしい家づくりが可能になるでしょう。
住宅の外観とは
住宅の外観とは家の顔であり、印象を左右させるポイントのひとつです。
とくに外壁のデザインは広い面積を占めるため、失敗できないポイントとも言えるでしょう。
外観の決め方の難しさを、懸念点から把握していきましょう。
外観の決め方
家づくりでは、採用する外壁や壁紙などの一部の建材ではサンプルがあり、いくつかの候補のなかから選ぶことができます。
しかし、実際に完成した家では、「思ったより暗い印象がある」「テイストのイメージと実物が違う」ということが起こります。
これは、完成図を実物で捉えるのが難しいからです。
たとえば、外壁のサンプルであれば、手に取れるサイズがもつ印象と、実際に外壁を貼ったときの印象は異なります。
これを面積効果と言い、明るい色を広範囲に貼ると明るい色はより明るく、暗い色を広範囲に貼ると、暗い色はより暗く感じる効果があるからです。
また、家は単体ではなく周辺環境のなかに建てられるため、隣家などとのバランスも家の印象を左右するポイントのひとつです。
たとえば、都会の住宅地のなかに建てられたシンプルモダンな建物と、広々とした敷地のなかに建てられたシンプルモダンな建物では、周辺環境との調和具合が異なります。
周辺環境に溶け込ませたいのであれば同じテイストに、周辺と差別化をはかりたいのであれば、テイストを変化させたり個性をプラスしたりする必要があるでしょう。
注文住宅の家づくりでは、すでに建てられた家を選ぶのではなく、つくりたいイメージと完成形とをいかに近づけるかが重要です。
ここからは、満足する家づくりをするために、外観選びで考慮するポイントを具体的に解説します。
外観を決めるために考慮するポイント
住宅の外観を決めるために、次の3つのポイントを考慮しましょう。
・コンセプト
・素材
・色
まずは、コンセプトで全体像を決めてから、外壁の素材や色などの細かな部分を選んでいくと、自分の好みに合ったお洒落な外観の住宅に近づくでしょう。
ここからは、それぞれの選び方を詳しく解説します。
コンセプト
家の外観を決めるためには、コンセプト選びが重要です。
なぜなら、コンセプトが決まっていれば、完成後の建物とイメージとの相違が少ない住宅になるからです。
代表的な住宅のコンセプトとデザインの特徴は次の通りです。
住宅コンセプトの種類 | デザインの特徴 |
モダン | ・「無機質なイメージ」 ・黒、白、グレーなどのモノトーンカラーを選ぶ |
和風 | ・「古民家を思わせるデザイン」 ・塗り壁や木製の格子などを取り入れる |
和モダン | ・「古風に現代的なデザインをプラスするイメージ」 ・屋根瓦や塗り壁を採用しつつもシンプルにまとめる |
ナチュラル | ・白やベージュなどの明るいカラーをメインに、ブラウンなどをポイントに取り入れる ・木目やレンガなどの質感をプラスしておしゃれにするのもよい |
北欧 | ・勾配のある三角屋根にする ・木目やレンガのデザインを採用するとよい ・白、グレーのほかグリーンなどの暖かみのあるカラーをプラスするほか、ツートーンカラーにするとよりお洒落に仕上がる |
南欧 | ・オレンジ色の瓦屋根にする ・玄関ポーチをアーチ型にする ・白やベージュをメインカラーにする ・アイアン素材を窓枠や妻飾りに使用すると本格的な印象になる |
アメリカン | ・木目を感じる外壁を使用する ・白やグレーなど、落ち着きがありながらも明るいカラーを選ぶ ・玄関わきには「カバードポーチ」と呼ばれるバルコニーを設けると本格的な印象になる |
住宅街を通ったときに、自分がどのような住宅に惹かれるかを考えてみるとよいでしょう。
インターネットなども参考になります。
なにも決めていない状態で外壁材を選んでしまうと、統一感がなくぼやけた印象の外観になってしまいかねません。
気になるコンセプトの住宅を最初に決めておくと、まとまりのあるお洒落な印象になり、外壁選びもスムーズになるでしょう。
選ぶのが難しい場合は、可愛い家がよいのかカッコイイ家がよいのか、暖かみのある家がよいのかなど、おおまかなコンセプトだけでも決めておきましょう。
素材
外壁の素材によって外観の印象は大きく変わるため、次の表のように外壁の素材や特徴からどれを採用するかを決めましょう。
外壁の素材 | 特徴 | 似合うコンセプト |
窯業系サイディング | ・安価 ・デザインが豊富 ・耐震性や耐火性が高い | ・全てのコンセプトに対応可能 |
金属系サイディング (ガルバリウム鋼板など) | ・耐用年数が30~40年と長い ・断熱性が高い | ・モダン、和モダンなど |
モルタル | ・つなぎ目がなく美しい仕上がりになる ・混ぜる素材などで仕上がりを変化させられる ・遮熱効果、耐火性・耐久性が高い | ・モダン、和モダン、ナチュラル、北欧など |
塗り壁(漆喰) | ・つなぎ目のない美しい仕上がりになる ・耐用年数が30~100年以上ある(メンテナンス下) ・建物内の調湿効果が高い | ・北欧、南欧、ナチュラルなど |
レンガ | ・耐久性が高くメンテナンスコストを抑えられる ・遮音性が高い | ・北欧、南欧など(ポイントで使用するのもよい) |
タイル | ・耐久性・耐火性が高い | ・モダン、南欧など(ポイントで使用するのもよい) |
窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、住宅の約8割に使用される外壁材です。
木目調やレンガ調などデザインの種類も豊富で、家のコンセプトに限らず採用できるメリットがあります。
一方、金属系サイディングは、スタイリッシュでかっこいい外観にしたい方におすすめです。
漆喰やレンガ、タイルなどは高級感があり、本格的なテイストの仕上がりになります。
窯業系サイディングでも同じ質感が演出可能なため、コストなどと比べて選んでもよいでしょう。
色
建物の外観に採用する色は好みの色かどうかだけではなく、色が与える雰囲気やバランス、機能性も大切です。
昨今人気の高い黒色の外観は、シックで落ち着いたイメージがあり、白色の外観は爽やかなイメージがあります。
住宅の外観にどのような印象をもたせたいかによって、外壁の色を選びましょう。
機能面として抑えておきたいのは、汚れの目立ちにくい色であるかどうかです。
基本的にベージュやグレー、淡いグリーンは、砂埃やコケなどが目立ちにくい色です。
建物の外観を左右するのは、外壁の色はもちろん、窓やドアまで含めます。
したがって、全体のバランスから選ぶ色を考える必要があります。
外壁に選ぶ色は3色程度に留め、まとまり感を意識しましょう。
ベースカラーを選んでから、ポイントとなる色を合わせながら選んでいくのもおすすめです。
カラーシミュレーションなどで全体像を把握できると、失敗しにくいでしょう。
しかし、モニター越しや印刷した紙媒体での確認となるため、実際の印象とは異なるケースがあります。
参考程度に留めて起きましょう。
色見本などでカラーを決める際には、手元にある色みと実際に建物に外壁として貼られたあとの色みでは印象が異なる場合があります。
外壁の最終決定をする前には、外壁サンプルを実際に太陽光の下で見て色をチェックすると、失敗を防げるでしょう。
まとめ
お洒落な外観の住宅をつくるためには、モダンやナチュラルなどの住宅コンセプトを決めてから、外壁の素材やカラーを選ぶのが重要です。
とくに、住宅コンセプトをあらかじめ決めておくことで、統一感のあるデザインの外観に仕上がり、外壁材も選びやすくなります。
外壁材には多くの種類があるため、見た目や機能性、価格を含め、どの素材を使用するのかを決めましょう。
お洒落で統一感のある外観にするためには、色を3色程度に抑え、窓などとの色とバランスを見ながら、全体のバランスで考える必要があります。
カラーシミュレーションや太陽光の元でサンプルを見るなどで、建てたあとのイメージを掴みましょう。
住宅公園では、実際のお家を見学して、外観のイメージを確認することが可能です。
「家の外観が決まらない」「おしゃれな外観の家を見てみたい」など、お家についてのお困りごとは住宅公園へ、お気軽にご来場ください。