一生で数回しかない土地の購入
土地や家は、人生の中でも数回しか購入する機会がありません。
さらに、土地購入の金額が高額にもかかわらず、普段買う機会がないため購入の流れもよく分からないという人がほとんどでしょう。
今回は、土地購入の流れについて詳しく解説していきます。
土地購入を検討している方や、これから家づくりをされる方は、ぜひ参考にしてみてください。
土地ってどう買うの?土地購入の流れ
土地の購入方法は、大きく分けて7つのステップにわかれています。
ここでは、各ステップごとに詳しく解説していきます。
土地購入の流れ7ステップ
土地購入の流れは、以下の7ステップです。
- 土地購入の流れ①:土地探し
- 土地購入の流れ②:「買付証明書」土地を仮押さえ
- 土地購入の流れ③:住宅ローンの「仮審査」
- 土地購入の流れ④:「土地の契約・重要事項説明」手付金を支払う
- 土地購入の流れ⑤:住宅ローンの「本審査」
- 土地購入の流れ⑥:金融機関と金消契約
- 土地購入の流れ⑦:土地の引き渡し・登記手続き
一つずつ見ていきましょう。
土地購入の流れ①:土地探し
土地探しの方法は、次の4つの方法があります。
・インターネットで検索する
・新聞広告のチラシを見る
・自分の足でエリアを回る
・ハウスメーカーや不動産会社に依頼する
一般的に、土地探しにかかる期間は3か月~1年ほどと言われています。
「駅から徒歩圏内がいい」「通勤・通学がしやすいエリアがいい」など、日常生活の利便性や具体的な条件を出してイメージすることが重要です。
しかし、理想の土地を追い求めすぎてしまうと、いつまでも土地探しが終わらないことも。
土地探しを成功させるポイントは、100%完璧な土地を探すのではなく、およそ70%程度で満足した土地を買うのがおすすめです。
土地購入の流れ②:「買付証明書」土地を仮押さえ
買いたい土地が見つかったら、売主や不動産仲介業者に買付証明書を提出します。
買付証明書は正式な売買契約ではなく、購入希望者が土地の所有者に対して「この土地を買いたい」と意思表示を行う書類です。
ほかにも「購入申込書」や「買受証明書」などと呼ばれていますが、買付証明書は特に書式のルールや法的な拘束力はありません。
欲しいと思った土地が見つかった場合は、まずは「買付証明書」を作成し、この土地を買いたいという意思表示をして他者に取られないようにすることが大切です。
ただし、人気のある土地だと、複数の購入希望者が集まるケースもあります。
その場合は先着順ではなく、購入希望金額が高い人など、売主にとって条件のいい人から交渉が始まるケースもありますので、覚えておくとよいでしょう。
土地購入の流れ③:住宅ローンの「仮審査」
買付証明書を提出したら、購入交渉が始まります。
金融機関で事前審査(仮審査)を受けましょう。
買付証明書を提出後、1~2週間以内に仮審査を受けることで、法的拘束のない買付証明書でも、売主に買う気があることと、資金調達の目途がついていることを証明できます。
住宅ローンは、買主の所有物となってから契約に進みます。
しかし、物件の売買契約完了後に住宅ローンの審査が通らなかった場合、物件の売主や不動産会社に損害が及ぶのを防ぐために仮審査を行うのです。
仮審査では、主に年齢・健康状態・担保評価・年収・職業など簡単な審査が行われ、おおよそ3~4日ほどで審査結果が出ます。
仮審査はWEBでも簡単に申込ができるので、忙しくてなかなか営業時間内に金融機関に行けない人におすすめです。
以下に、仮審査で必要な書類について表にまとめました。
申込者が会社員か自営業かによって揃える書類が異なるので、仮審査前によく確認しましょう。
【必要書類一覧】
共通 |
---|
・住宅ローンの申込書 ・印鑑(認印可) ・本人確認資料(運転免許証・健康保険被保険者証・パスポートなど) ・物件情報が分かる資料(物件販売チラシ・見積書や間取り図・土地の公図など) |
+
給与取得者 (サラリーマン・公務員) | 個人事業主 または 確定申告者 (フリーランス・副業) | 法人代表者 |
---|---|---|
・源泉徴収票(前年分) | ・確定申告書および付表 (直近3年分) | ・源泉徴収票(直近3年分) ・確定申告書および付表 (直近3年分) ・法人の決算報告書 (前3期分・科目明細付け) |
土地購入の流れ④:「土地の契約・重要事項説明」手付金を支払う
仮審査が終わったら、いよいよ契約です。
重要事項説明を聞いたのち、手付金を支払います。
重要事項説明書は、宅地建物取引士が行うことになっています。
説明前に必ず「宅地建物取引士証」を提示する決まりになっているので、万が一提示しないまま説明が始まった場合には、確認しておくとよいでしょう。
重要事項の内容は、法律上の制限や敷地の状態など、素人では分かりにくい専門用語なども出てきます。
分からないことはそのままにせず、きちんと納得した状態でサインをしましょう。
売買契約では、手付金を支払う契約を締結します。
手付金は、物価の5%~10%が目安です。
例えば、2000万円の場合、100万円~200万円が相場になります。
当日に慌てないためにも、事前に準備しておくとよいでしょう。
土地購入の流れ⑤:住宅ローンの「本審査」
契約が締結されたら、住宅ローンの本審査に入ります。
仮審査の時は金融機関の支店で行っていましたが、本審査は金融機関の本部と信用保証会社が行います。
本審査ではローンの保証会社による審査も行われるため、審査期間に1~2週間程度かかります。ネット銀行の場合、1ヶ月近くかかることもあります。
審査の途中で追加資料の提出を求められること、さらに審査期間が伸びるケースも珍しくありません。
仮審査で通っていても本審査で審査に落ちることもあるため、書類に不備がないよう必要書類はしっかりと揃えておくことが重要です。
本審査で必要な書類は、以下のとおりです。
必要書類 | 入手先 |
---|---|
ローン本審査申込書 | 各金融機関 |
本人確認資料 (運転免許証・健康保険証・パスポート) | ━ |
住民票 | 市区町村役場 |
印鑑(実印) | ━ |
印鑑証明書 | 市区町村役場 |
年収を確認できる書類 ・給与所得者→源泉徴収票 ・自営業→確定申告書 ・会社経営者→法人決算書 | 勤務先、市区町村役場、税務署など |
勤続年数を確認できる書類(健康保険証) | ━ |
物件に関する書類 ・売買契約書 ・重要事項説明書 ・土地・建物の登記簿謄本 ・見積書や間取り図 ・土地の公図など | 契約する不動産会社や建築業者 |
場合によっては、本審査に落ちてしまうケースもあります。
しかし、本審査に落ちてしまうことは珍しいことではありません。
他の金融機関に申し込みをすることで審査が通る場合もあるため、本審査に落ちてしまった場合は、不動産会社の担当者などに相談してみましょう。
土地購入の流れ⑥:金融機関と金消契約
本審査が通ったら金融機関と「金銭消費貸借契約」いわゆる「金消契約」を締結します。
金消契約とは「金銭消費貸借契約」の略であり、消費者と金融機関で金銭消費貸借契約を結ぶ契約のことです。
金融消費貸借契約では、一般的に以下の内容が定められています
・借入金額・利率・返済期日・遅延損害金
・返済の延滞や債務者の信用状況の悪化が生じた場合の措置
・不動産に対する抵当権設定
・不動産の滅失等の場合における追加担保の差し入れ
・不動産の売却・賃貸借等の制限
・火災保険への加入
・保証人または保証会社による保証
契約時に一つひとつの項目をしっかりと確認し、分からない場合は説明を受けて理解するようにしましょう。
金銭消費貸借契約に必要な書類は次のとおりです。
- ・印鑑証明書
- ・住民票
- ・本人確認資料(運転免許証・パスポートなど)
- ・健康保険証
- ・実印(印鑑証明書登録印と同一のもの)
- ・収入印紙(金銭消費貸借契約用・その他の書類用)
- ・契約書の原本
- ・マイナンバーカード
必要書類は余裕を持って揃えられるようにしておくとよいですね。
土地購入の流れ⑦:土地の引き渡し・登記手続き
金消契約で土地の売主が入金を確認後、問題が無ければ引き渡しに進みます。
まずは、融資を実行する金融機関で土地の残代金を支払います。
基本的には、ローンの借入額から、先に支払っている手付金を差し引いた残額を売主に支払います。
大きなお金を動かすことに不安がある人は、自分の口座を通さずに直接売主の口座に振り込んでもらうこともできるので、事前に金融機関に依頼しておきましょう。
購入金額の振込が確認できた時点で所有権移転登記も行います。
所有権移転とは、土地の所有権を売主から買主へ移動する手続きのことです。登記は司法書士に依頼するのがおすすめです。
まとめ
今回は、土地の購入から引き渡しまでの7ステップを紹介しました。
完全に理想の土地を探すのは難しいと言われています。
土地探しは絶対に譲れないポイントを主軸に考え、妥協できるものを区別して考えると方向性が見えてきます。
土地購入の流れについて詳しく知りたい人は、住宅公園へ行ってみましょう。