注文住宅を建てるときに「ハウスメーカーと工務店でなにが違うのか」、「どちらを選べばよいのか」と悩む方もいることでしょう。
それぞれに会社の規模が違うことから、住宅建設の仕組みや設計の柔軟性、費用、アフターフォローの充実度が異なります。
本記事では、ハウスメーカーと工務店の違いやそれぞれのメリット・デメリット、選び方についてまとめています。
家づくりで失敗しないためには、自分たちに合った家づくりをおこなう施工会社に出会うことが重要です。
まずは、ハウスメーカーと工務店の違いを理解し、どちらが自分たちの理想の家の形に近いのかを判断することからはじめましょう。
ハウスメーカーのメリット・デメリット
ハウスメーカーとはどのような施工会社なのか、メリット・デメリットについてお伝えします。
ハウスメーカーとは
ハウスメーカーとは、全国規模で展開している大規模な住宅施工会社です。
支社や支店は全国に及んでいるため、どの地域に行っても認知度が高い特徴があります。
広告の規模も大きく、テレビCMや住宅展示場への出展もおこなっています。
メリット
ハウスメーカーには大企業ならではの、3つのメリットがあります。
- ・安定した品質で工期が短い
- ・保証やアフターサービスが充実している
- ・経営基盤が安定している
それぞれについて詳しく解説します。
安定した品質で工期が短い
ハウスメーカーでは、住宅設備や建材の仕様・規格のほか、住宅の施工方法を統一しているためどこのエリアで建てたとしても、安定した品質の住宅が施工できます。
おおまかな施行方法として、プレスカット工場で削った建材を現場で組み立てていることから、作業が効率化でき工期の短縮も叶いました。
具体的な工期としては、30坪前後の家を建てた場合、工務店では4カ月〜5カ月ほどかかるところが、ハウスメーカーでは3カ月半〜4カ月ほどになります。
このように、システム化された高品質の家づくりは、施工主の安心や快適さにもつながると言えるでしょう。
保証やアフターサービスが充実している
ハウスメーカーは、建てた後も安心して暮らせる体制が整っています。
政府が制定した「品確法」では、住宅に欠陥があった場合の瑕疵担保責任として、最低10年間の無償保証期間を施行会社側に設けるよう義務づけています。
しかし、多くのハウスメーカーはさらに手厚く「初期保証30年」や「10年毎の無償点検」などのサービスを独自に定めています。
さらには、24時間365日のコールセンターを開設しているハウスメーカーもあり、建てたあとも末永く安心して暮らせる家づくりができると言えるでしょう。
経営基盤が安定している
大規模な住宅施工会社は経営基盤も安定しています。
せっかくの保証やアフターサービスがあっても、会社そのものが潰れてしまっては意味がありません。
生涯において頼れる施行会社であることも、ハウスメーカーで建てるメリットです。
デメリット
ハウスメーカーには大企業ならではの、2つのデメリットがあります。
- ・自由度が高いとは言い切れない
- ・住宅価格が高くなる傾向にある
それぞれについて詳しく解説します。
自由度が高いとは言い切れない
ハウスメーカーの家づくりは、間取りの設計に制限がある場合が多いです。
- ・間取りを自由につくれる「自由設計」
- ・用意されたプランにアレンジもできる「セミオーダー型」
- ・用意されたプランを組み合わせる「規格型」
柔軟性の高い自由設計でも、外壁やドアなどの建材、キッチンなどの住宅設備は用意されたプランから選んでいく仕組みです。
ハウスメーカーでは建材や設備をあらかじめ絞り、一括購入することでコストを下げているため、家づくりの自由度が高いとは言い切れません。
規格外の要望を叶えてくれる場合もありますが、コストが割高になることが多いでしょう。
住宅価格が高くなる傾向にある
先述した通り、建材などの住宅建設に直接関わるコストは下げられていますが、一方で、人件費・広告費についてはそうとは言えません。
住宅展示場への出展やテレビCMなどの大規模な広告、営業担当者などの人件費でコストはかさみ、最終的な住宅価格は高くなる傾向にあります。
工務店のメリット・デメリット
工務店とはどのような施工会社なのか、メリット・デメリットについてお伝えします。
工務店とは
工務店は大きくわけると3パターンあります。
- ・地域密着型の小規模な工務店
- ・フランチャイズ加盟店となっている工務店
- ・県をも跨ぐ中堅ビルダーの工務店
工務店の多くは小規模な企業として、地域密着型の施工を主とし、設計や施工、職人の管理までを一貫しておこないます。
フランチャイズ加盟店とは、企業の経営本部のノウハウや規格化された建材などを用いて経営するスタイルの工務店です。
なかには複数社のフランチャイズ加盟店となっている工務店もあり、よりバリエーションに富んだテイストの家づくりをおこなっています。
着工件数が増加することにより会社の規模が拡大し、中堅ビルダーとなる工務店もあります。
施工範囲は近隣の県までにおよび、住宅展示場などのモデルハウスを展開する工務店もあります。
メリット
工務店には3つのメリットがあります。
- ・間取りや設備の自由度が高い
- ・住宅価格が安い
- ・環境に適応した家づくりができる
それぞれについて詳しく解説します。
間取りや設備の自由度が高い
工務店は、自由度の高い間取りのプランニングができるほか、好きな住宅設備が選べる点が魅力です。
たとえば、キッチンにこだわりがあるのなら、お好みのメーカーのキッチンと、職人による造作カップボードを設置することもできるでしょう。
工務店によっても得意不得意はありますが、家づくりの自由度は高く、施工主のこだわりを反映させた家づくりがおこなえます。
住宅価格が安い
工務店では、大規模な集客をしていないため広告費が抑えられ、営業などにかかる人件費も抑えられていることから、住宅価格も安くなっています。
同じような住宅設備や性能の家を建てるなら、ハウスメーカーよりも工務店で建てたほうがコストパフォーマンスがよいと言えるでしょう。
環境に適応した家づくりができる
工務店は地域に根付いた家づくりをしています。
雨が多い地域なら湿気に強い家、冬場の寒さが厳しいなら断熱性に優れた家など、環境に適応した性能を持つ家づくりを得意としています。
変形地に家を建てる場合にも、これまでの住宅建設のノウハウが活かせるでしょう。
デメリット
工務店には2つのデメリットがあります。
- ・保証内容やアフターメンテナンスが手厚いとは限らない
- ・施工品質が均一とは言い切れない
それぞれについて詳しく解説します。
保証内容やアフターメンテナンスが手厚いとは限らない
工務店には「完成後30年」などの手厚い保証は用意されていないことが多いです。
また、アフターフォローの担当者がいることも少ないため、住宅に不備が起きても繁忙期などはすぐに対応してもらえない可能性もあります。
施工品質が均一とは言い切れない
現場での建材加工が多い工務店にとっては、大工の腕のよしあしが家づくりの鍵を握ります。
また、細部までこだわった家を建てる場合、設計士やプランナーの経験値や提案力も重要です。
口コミで情報を集めたり完成物件を見学会で内覧したりと、安心して任せられる工務店なのかを判断すると安心です。
選び方のポイント
ハウスメーカーか工務店で悩んだときにどのように選ぶべきか、それぞれに向いている人についてお伝えします。
ハウスメーカーに向いている人
企業基盤が安定しているハウスメーカーは、家だけではなく安心も買えると言えるでしょう。
家の品質は長期にわたり保証され、建てた後も安心して暮らせるサービス体制が整っています。
あらかじめ用意されたプランのなかから間取りや設備を選ぶことの多いハウスメーカーは、「家づくりのすべてを決めるのは大変」という方にも向いているでしょう。
工務店に向いている人
こだわりの家を0から作りたいなら、工務店がおすすめです。工務店のプランニングでは、外観のデザインや間取り、室内インテリア、床などの建材、細かいところではドアノブなども自分で決められます。
また、こだわりたい部分にはコストをかけ、優先順位が低いところにはコストを抑えることで費用のメリハリがつき、予算内でも理想の家づくりができるでしょう。
こだわりのマイホームがほしい方、ほかの家にはない魅力がほしい方には柔軟性のあるプランニングができる工務店が向いていると言えます。
自分に合った家づくりを考えるなら住宅公園へ
ハウスメーカーか工務店、どちらが自分たちの理想の家の形に近いかイメージできたでしょうか?
注文住宅を建てる際、実際にどのような家が建てられるのかを見ておきたいですよね。
住宅展示場では、「安心して暮らせる家なのか」、「居心地よく感じる家なのか」などを視覚的にも感覚的にも体感できることが最大の魅力です。
さらには、さまざまなハウスメーカーや工務店の建てた家を比較検討できるメリットもあります。
これから家づくりをはじめるのなら、一度見学会に行き、理想の家について考えてみませんか?
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相談会や楽しいイベントも随時開催していますので、お気軽にお越しください。