家づくりをするとき、メジャーな木造住宅や軽量鉄鋼造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)のほかにも、プレハブ住宅が選択肢のひとつです。
プレハブ住宅というと仮設住宅や工事現場にある事務室など、簡易的な建物を想像しますが、実際のプレハブ住宅では、性能や耐久性を備えた建物が多く存在しています。
本記事では、プレハブ住宅とはどのような造りの建物なのか、メリット・デメリットを解説します。
実際にプレハブ住宅を建てる際の工法やおしゃれになるデザインの選び方もまとめているので、全体像を把握して自分に合った家づくりの参考にしてください。
プレハブ住宅とは
プレハブ住宅の定義や、用いる資材によって分けられる3タイプについて解説します。
そもそもプレハブ住宅って何?
プレハブとは、「Pre-fabrication(プレファブリケーション)」の略語です。
直訳すると「予製造」と言い、プレハブ住宅とは柱や壁などを工場でつくり、現地では組み立てるだけの作業で主な工程が完了する住宅を指します。
具体的には、部材の加工や組み立てを可能な限り工場で行い、現地ではそれぞれのパーツを組み立てるように建設する仕組みです。
そもそもプレハブ住宅が普及したのは、戦後の住宅不足が深刻化した渦中に、品質が安定した住宅が大量に必要とされた時代背景があります。
そのあと1960年代には、住宅主要メーカーがラインナップを発表するなど、着実に住宅業界に浸透しました。
昨今では、木造住宅などの主流の住宅構造に匹敵する住宅性能や耐久性のほか、昨今注目を集めている省エネ性能の高い自然にやさしいプレハブ住宅も登場しています。
プレハブ住宅の種類
プレハブ住宅はハウスメーカーによって構造や工法が異なりますが、大きく分けて次の3種類があります。
・鉄筋系:鉄骨が柱と梁の主要部材となる
・コンクリート系:工場生産コンクリート部材が柱と梁、床、屋根パネルの主要部材となる
・木質系:木製の枠組みが主要部材となる
鉄筋系は柱や梁に軽量形鋼、壁や床にパネルを用いる軸組方式、外壁パネルを用いるパネル式方式、柱や梁に重量鉄骨を用いるラーメン構法などがあります。
強固な基盤に接合された壁や床のパネルで、構造体そのものが強固になります。
昨今のプレハブ住宅の生産数で多いのが、この鉄筋系です。
コンクリート系は高耐久で安定性が高いだけでなく、建築にかかる時間やコストを抑えることが可能です。
壁板の厚みにより、中型コンクリートパネル工法や、大型コンクリートパネル工法などに分けられます。
木質系は、合板がつけられた木質接着複合パネルを耐力壁として、壁や床などに用いています。
耐力壁があることで耐震性の高さにも期待できます。
また、木材を使用することで、自然にやさしい再生可能な資源を使えるメリットもあるでしょう。
ハウスメーカーの作るプレハブ住宅の
メリット・デメリット
ハウスメーカーの作るプレハブ住宅のメリット・デメリットを解説します。
それぞれの特徴から、自分がプレハブ住宅に向いているかどうかを考えてみるとよいでしょう。
プレハブ住宅のメリット
プレハブ住宅のメリットは次の4つです。
・品質が安定している
・工期が短い
・コストが削減できる
・付加価値のある性能をつけられる
プレハブ住宅は、一般的な木造住宅よりも工場で生産する部分が多いです。
工場では最新技術を用いて、ロボットが設計通りに精度の高い部材を一つひとつつくったり、各工程には専門の管理者が配置されたりしています。
したがって、安定した品質で多くの工程をこなすことが可能です。
また、工場で効率的に量産できるため、工期の短縮や人件費にかかるコストが削減できます。
外壁などの特殊塗装や構造体の特殊加工なども工場でおこなえるため、付加価値のある性能をつけられる機会も増えるでしょう。
一般的な住宅構法とは異なり、プレハブ住宅なら職人の技術のバラつきを心配することなく、コンピューターによって生産管理された安心して住まえる住宅が手に入るでしょう。
プレハブ住宅のデメリット
プレハブ住宅のデメリットは次の4つです。
・土地の形状によっては家が建てられない
・間取りの自由度が低い
・工事がはじまると設計の変更が難しい
・リフォームに対応しにくい
プレハブ住宅は間取りが規格化されており、一般的には四角い土地を想定した建物の建築が得意な特徴があります。
そのため、高低差のある土地や不定形な土地、法規制の厳しい土地などでは、マイホームが建てられないケースもあるでしょう。
さらには、一般的な注文住宅よりも間取りの自由度が低いため、たとえばデザイナーズ住宅のような個性的な間取りを叶えることも難しくなるケースが多いです。
構造の大部分を工場で生産するため、建築が着工すると修正がきかないこともあります。
設計段階であとあと変更のないように、しっかりとイメージしながら打合せを重ねる必要があるでしょう。
完成後の間取りの変更もしにくいため、将来的にリフォームを考えているのなら住宅を建てる段階で相談しておくと安心です。
プレハブ住宅に向いている人
プレハブ住宅に向いている人は、次の項目に当てはまる人です。
・土地の形状に問題がない
・品質を重視したマイホームに住みたい
・なるべく早く新居に住みたい
まず、大前提としてプレハブ住宅を建てられる土地があるかどうかが重要です。
また、住宅デザインなどの見た目よりも、住み心地を重視した家づくりをしたい方にも向いています。
転勤や入学などで引越しの時期が迫っているが、自分たちの要望を叶えられる注文住宅を諦められない方にもおすすめです。
オシャレなプレハブ住宅を選ぶポイント
一般的な木造の注文住宅よりも品質や精度の高いプレハブ住宅を選んだときには、設計の自由度が低いことがネックではあります。
しかし、工夫次第ではおしゃれな家づくりが実現します。
次のポイントに気をつけてプランニングしましょう。
・プランに合った工法を選ぶ
・外壁のデザインにこだわる
・インテリアにこだわる
それぞれについて詳しく解説します。
プランに合った工法を選ぶ
プレハブ住宅には、主要部材の異なる鉄筋系、コンクリート系、木質系と大きく分けて3種類あり、それぞれさらに細かく工法なども分けられます。
また、ハウスメーカーによって建てられるプレハブ住宅が異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
たとえば、デザイン性をできるだけ高めたい場合、設計の自由度が高い住宅構造を選ぶなど、自分たちがどのような住宅を叶えたいのかによって採用する工法を選択します。
すると、理想に近い家づくりが実現できるでしょう。
外壁のデザインにこだわる
プレハブ住宅は外観デザインにこだわることでおしゃれな建物にすることができます。
たとえば、シンプルモダンやナチュラルモダンなど、無機質な風合いを取り入れた外壁でどのような街並みにも調和するデザインにするのもよいでしょう。
深みのあるカラーを使った北欧テイストや和モダンなど、自然素材の風合いをもつ外壁などを取り入れると、自然に調和したナチュラルな外観になります。
昨今ではプレハブ住宅のラインナップも増えてきていることから、自分の好みに合いながらもおしゃれな建物が建てられるでしょう。
インテリアにこだわる
おしゃれな住まいは室内インテリアでも叶います。
壁紙や建具などの質感でもデザイン性を高められるため、インターネットや雑誌などで気になるインテリアを参考にして内装を選んでいくのもおすすめです。
住んでからの家具やファブリックの色使い、比率、配置の仕方などでもおしゃれな空間が完成するため、間取りだけではなくさまざまな観点からアプローチするとよいでしょう。
プレハブ住宅を建てるなら住宅公園へ
まとめ
プレハブ住宅とは、工場で柱や壁などを可能な限り生産し、現地ではパーツを組み立てるのを主な作業工程とする家づくりの方法です。
大きく分けて鉄筋系、コンクリート系、木質系の3種類があり、それぞれに主要部材や構造が異なります。
プレハブ住宅のメリットは安定した品質の住宅が建てられることや、工期の短縮、コスト削減などがあります。
一方、土地の形状に左右されるほか、間取りの自由度が低いなどのデメリットが存在するため、自分の求める家づくりに合っているのかどうかを見極める必要があるでしょう。
工法の選び方や外壁、インテリアにこだわると、おしゃれなプレハブ住宅を叶えられます。
ご相談は住宅公園へ
マイホームを実現するなかでプレハブ住宅に興味があるのなら、さまざまなハウスメーカーの建てた住宅を実際に見られる住宅公園への相談がおすすめです。
営業担当者に気になる点などを相談できるため、ハウスメーカーによって異なる工法の違いや特徴を比較することも可能です。
家づくりに関するお困りごとやお悩みがある際には、住宅公園へぜひご来場ください。