長く快適に住むならユニバーサルデザインの家!
ユニバーサルデザインの家を徹底解説

「ユニバーサルデザイン」という言葉は聞いたことがあるけれど、実際のところ詳しくはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ユニバーサルデザインの家について概要とメリット・デメリット等を詳しく解説していきます。

合わせてユニバーサルデザインを用いた施工例も紹介しますので、ユニバーサルデザインの家が気になる方、家づくりの候補に考えているという方は、ぜひ最後までお読みください。

長く快適に住める?!
ユニバーサルデザインの家とは?

はじめに、ユニバーサルデザインの家について詳しく見ていきましょう。

ユニバーサルデザインの家とは?

ユニバーサルデザインの家は、1980年代にアメリカのロナルド・メイス博士が中心となり、年齢やハンディキャップを問わず、全ての人が快適な生活・環境を実現する家として提唱されました。

日本に認知されたのは、提唱されてから約10年後の1990年代前後です。

ユニバーサルデザインには、次のような7つの原則があります。

<ユニバーサルデザインの7原則>

①誰もが公平に使える
 例)自動ドア・手すり付き階段・段差のない歩道など

②使う時の自由度が高い
 例)多機能トイレ・高さの違う手すりやカウンター・階段、エレベーター、エスカレータの併設

③使用方法が簡単で分かりやすい
 例)電気のスイッチ・説明書がなくても使える家電、シャンプーとリンスの区別線

④欲しい情報がすぐ理解できる
 例)音声案内・展示・文字・さまざまな言語やひらがなでの案内

⑤ミスや危険につながらないデザイン
 例)地下鉄などの二重扉・ノンステップバス

⑥身体への負担が少なく楽に使える
 例)水道のレバー・レバーハンドル式のドア・低位置にボタンのある自動販売機

⑦使いやすい大きさと空間の確保
 例)優先駐車スペース・多機能トイレなどの空間

ユニバーサルデザインの家は、7つの原則を元とした設備を用いて建てられています。

実はちょっと違うバリアフリーの家とユニバーサルデザインの家の違い

ユニバーサルデザインと似た言葉に「バリアフリー」があります。
一見似ているようですが、実は、それぞれに定義があるので比較してみましょう。

【バリアフリーの定義】
障害のある人が社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去するという意味で、もともと住宅建築用語で登場し、段差などの物理的障壁の除去をいうことが多い。
しかし、より広く障害者の社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的なすべての障壁の除去という意味でも用いられている。

【ユニバーサルデザインの定義】
バリアフリーは、障害によりもたらされるバリア(障壁)に対処するのに対し、ユニバーサルデザインはあらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方である。
出典:国土交通省「障害者基本計画」

このように、バリアフリーとユニバーサルデザインの双方の大きな違いは対象者と目的の違いにあります。

主に、バリアフリーは高齢者や体の不自由な人が対象であり、ユニバーサルデザインはすべての人が対象となります。

よって、バリアフリーの家とユニバーサルデザインの家も同じく、対象者と目的が異なるのです。

ユニバーサルデザインの家のメリット・デメリットは?!

ユニバーサルデザインの家のメリット・デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

ユニバーサルデザインの家のメリット

ユニバーサルデザインの家のメリットは、次の2点です。

誰でも住みやすい

ユニバーサルデザインの家は、老若男女・世代を問わずに住みやすいデザインです。
そのため、子育て世代からシニア世代まで幅広い人たちが住める家になっています。

ライフステージの変化に対応できる

ユニバーサルデザインの家は新婚・出産・子供の独立など、10年・20年経っても家族のライフステージの変化に対応できることが魅力でもあります。
また、長い人生においてケガや病気になってしまうこともないとは言い切れません。不測の事態においてもユニバーサルデザインの家は、快適に過ごせるデザインが大きな強みです。

ユニバーサルデザインの家のデメリット

一方で、ユニバーサルデザインの家のデメリットも2点あります。

コストが高くなる

ユニバーサルデザインの家は一般的な住宅よりコストが掛かるため、どうしても建築費が高くなってしまいます。
さらにリフォームにおいては、玄関にスロープを作るなど通常の家にない設備を追加する場合はコストが高くなりがちです。

新築・リフォームともにコストが高くなることを覚えておくと良いでしょう。

スペースが狭くなる

ユニバーサルデザインの家は、廊下やトイレ、浴室などを広くした分、他の空間が狭くなることもあります。
ライフスタイルを考え、どこがメインで、どのくらいのスペースが必要か、どのスペースを削れば良いかなどを考えておくと良いでしょう。

砂やホコリが溜まりやすい

ユニバーサルデザインの家は段差のない作りになっているため、風の通りや抜け具合によってもホコリや砂がどうしても入りやすくなります。
定期的に掃除をして清潔な空間を保つことが望ましいですが、24時間換気や空気清浄機を上手く活用することも一つのポイントです。

長く快適に住めるユニバーサルデザインの例

ここからは、実際にユニバーサルデザインを取り入れた家づくりの例を場所別に紹介していきます。
これからユニバーサルデザインの間取りを考える方や、ユニバーサルデザインの家づくりが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

例1:玄関

玄関は階段のほかにスロープを設置すれば車いすやベビーカーの出入りがしやすくなります。叩きの部分にゆとりを持たせ、ベンチを置けば靴の脱ぎ履きも安定した姿勢を保てるので転倒のリスクを軽減できます。また、ベンチは買い物から帰宅した際、荷物や鞄の一時置き場としてもピッタリです。

例2:廊下

車椅子が通れる広さの廊下は、ストレスなく旋回ができるので移動がスムーズにできます。
いずれ手すりが必要となったときを考え、すぐに設置できるような直線状の廊下にすると設置費のコストを押さえることができます。

例3:階段

階段で心配なのは、転倒事故のリスクです。
緩やかな勾配やL字型の階段、踏み板の表面を滑りにくい資材を用いることで転倒事故を防ぐことができます。
手すりがついていれば、高齢者のみではなく、小さい子どもも階段の昇降がしやすくなるでしょう。足元にLEDライトを設置すれば夜間の移動も安心できますね。

例4:トイレ

段差のない入口のトイレや、便座付近に手すりをつけることで立ったり座ったりする動作をサポートできます。
また、寝室の近くにトイレを設置すれば、夜間の転倒事故や寒い冬場のヒートショックを防げます。ゆとりある広さにすると、介助者や車いすの出入りが楽になるのはもちろん、小さいお子さまのトイレトレーニングの際にも補助しやすくなりますよ。

例5:浴室

浴室もトイレと同じく、段差のないフラットな入口にします。
浴槽のふちと床面の高低差を40センチほどにすると、浴槽と洗い場の出入りがしやすくなるでしょう。
広々とした洗い場は、介助者やお母さんがお子さんを洗いやすくなります。
滑りにくい床材は転倒する危険性を回避でき、保温性の高い壁面のパネルを用いればヒートショックのリスク軽減につながります。

まとめ

ユニバーサルデザインの家は、世代を問わず、そして家族のライフステージの変化にも対応できるため、快適さを保ちながら長く住み続けられます。

似たようなところでバリアフリーの家と間違われがちですが、バリアフリーは身体が不自由な人たちに向けた家であり、ユニバーサルデザインは障害や性別、年齢など問わず、全ての人が暮らせる家となるため対象者と目的に大きな違いがあります。

これからユニバーサルデザインの家づくりを始める方は、お住まいの近くにユニバーサルデザインを取り入れたハウスメーカーがあるか、ぜひ確認してみてください。

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