「ガレージのあるカッコいい家にしたい」「大切な車も守れる家にしたい」など、ガレージ付きの家に憧れる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、住宅に設置できるガレージの種類やビルトインガレージのメリット、ガレージ設置の注意点を解説します。
ガレージは新築時だけでなくリフォームで後付けすることも可能ですが、建てられる大きさに制限のかかるケースがあります。
どのガレージが自分のライフスタイルに合っているのかで迷った際は参考にし、理想の家づくりを実現させてください。
ガレージの種類
住宅に設置できるガレージには、構造の異なる3種類があります。
ガレージは車を雨・風などから守れたり、防犯性が高くなったりする機能面のほか、種類によっては住宅の外観により高級感が増すなどのデザイン性を高くする特徴があります。
ここからは、住宅に設置できるガレージのそれぞれ異なる特徴を解説します。
3つのガレージが存在する
住宅のガレージには大きくわけて次の3種類があります。
・独立式ガレージ
・ビルトインガレージ
・リフト付きガレージ
独立式ガレージとは、住宅と切り離して建てられるガレージです。
ガレージのシャッターを閉めれば全方向が外部と遮断できるため、屋根のみのカーポートよりも車を雨・風などから守れます。
住宅を建てた後でも、スペースがあれば後付け可能です。
しかし、住宅の設計時にガレージの配置を考えておかないと、玄関からガレージまで距離ができてしまったり、行き来するまでに屋根のない屋外を通る必要がでてきたりします。
独立式ガレージには既製品とオーダー製品の2種類あり、既製品であれば約100万円が予算の目安です。
一方、オーダー製品では、デザイン性の高いガレージや広いガレージを建てられる特徴があります。
費用は木造や鉄筋などの構造によって異なりますが、200万円以上かかるでしょう。
ビルトインガレージとは、住宅と一体化しているガレージです。
ビルトインガレージを設置する前提で建てる場合、ガレージハウスと呼ばれます。
傾斜地などの土地を除き、一般的には住宅の1階部分に計画されます。
敷地内に駐車スペースを設けるのが難しい、都心部の狭小地に多いタイプのガレージです。
玄関からガレージへのアクセスが最短距離ですむほか、天候を気にすることなく乗り降りできたり、荷物の出し入れがしやすかったりするメリットがあります。
しかし、居住空間が狭くなるほか、車のエンジン音が室内に響きやすいデメリットがあります。
ビルトインガレージにかかる費用は、新築時であれば約60万円が目安です。
リフォームでの設置も可能ですが、構造の強度などを再算出し必要であれば補強する必要があるため、200万円以上かかります。
ガレージのデザインや広さを求めるのであれば、新築時に設計したほうが自由度は高くなるでしょう。
リフト付きガレージは、ガレージ内に機械式のリフトを備えたガレージです。
床面積が1台分しか確保できなくても、高さがあれば上下に2台収容できます。
都心部など限られた敷地面積で、複数台の車を駐車する方に選ばれるガレージです。
ビルトインガレージのメリット
都心部に多い狭小地などで採用されることの多いビルトインガレージに焦点をあてて、メリットを深掘りしていきましょう。
ビルトインガレージを設置するメリット
ビルトインガレージを設置するメリットは次の5つです。
・敷地が狭くても駐車スペースを確保できる
・別途駐車場をレンタルする費用が節約できる
・車へのアクセスがしやすい
・防犯性が高い
・物置として利用できる
ビルトインガレージであれば駐車スペースが確保できない場合や、庭にスペースを取りたい場合などでも、建物の1階部分を有効活用することで駐車スペースにできます。
駐車場代を別途に捻出する必要がないため、長期的に見るとコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。
天候に関わらずに車の乗り降りができたり、荷物を室内に運ぶ際にはほかのガレージよりも移動距離が短くすんだりと、日々の買い物が楽になります。
小さな子どもを連れての外出時にはとくに便利に感じるでしょう。
住宅の一部であるビルトインガレージであれば、さらに防犯性を高めることもできます。
車上荒らしから愛車を守れるでしょう。
ビルトインガレージは収納スペースとしての機能を持たせることも可能です。
冬用タイヤやアウトドア・レジャー用品、自転車など、室内に持ち込みたくないけれど室外物置を置くにもスペースが必要な場合に、フレキシブルに活用できます。
物置を外に置くよりも住宅の外観がすっきりとするのも、ひとつのメリットと言えるでしょう。
ガレージを設置する際の注意点
ガレージを設置する際の注意点は次の通りです。
・建ぺい率
・固定資産税
ガレージを建てる際には敷地によって制限が異なります。
また、建てたあとにかかる税金についても知っておく必要があります。
ここからは、それぞれについて詳しく解説します。
建ぺい率
ガレージを設置する際には、建ぺい率を超えないように建てる必要があります。
これは、外付けのガレージであっても、建て方によっては建築物として扱われるからです。
建ぺい率とは、建物を真上から見たときの敷地面積に占める建築面積です。
たとえば、敷地面積100㎡、建ぺい率50%の土地に建てられる建物の建築面積は、50㎡までです。
建ぺい率は地域によって異なる都市計画、用途地域別に30・40・50・60・80%と定められています。
そもそも建ぺい率とは、エリアによって異なる環境から火災時の住宅の延焼を防いだり、日当たりや通風を確保したりするために建築基準法によって定められているものです。
なお、次の条件をクリアした敷地や建物には、建ぺい率に緩和措置が設けられています。
・防火地域の耐火建築物であること
・角地の建物であること
・2つの道路に挟まれた敷地の建物であること
それぞれをクリアすると建ぺい率が10%加算され、2項目をクリアすると合計20%が加算される仕組みです。
たとえば、建ぺい率60%の防火地域で角地となる敷地に耐火建築物を建てると、建ぺい率は80%に緩和されます。
緩和条件があるとガレージを増設しやすくなるでしょう。
建ぺい率を超えると違法建築物とみなされます。
無理に建ててしまうと、一般的には売却不可です。
建築基準法に基づき詳細なルールが決まっているので、トラブルに発展しないよう確認後に施工する必要があります。
ガレージを設置しようか悩んでいる場合は、早めに依頼先の住宅会社などに伝える必要があります。
建ぺい率がオーバーしてしまうなどの理由から独立式ガレージを増設できない場合は、ビルトインガレージを検討してみましょう。
固定資産税
ガレージは次の条件をすべて満たす場合は建築基準法によって建物扱いされ、固定資産税の課税対象になります。
・基礎があり建物に定着している
・屋根と3方向以上の壁がある
・居住や作業のできる状態である
ビルトインガレージには固定資産税がかかるため、しっかりと建物の一部といった認識を持って建築を行う必要があります。
また、独立式ガレージであっても一般的には上記の基準を満たすため、建物にプラスして固定資産税がかかります。
固定資産税は固定資産税評価額でおおよその支払額を予測できます。
固定資産税評価額は建築費用の60%が目安となるため、たとえば100万円のビルトインガレージであれば、100万円×60%=「60万円」です。
固定資産税評価額に1.4%を乗ずると固定資産税額となるため、60万円×1.4%=「8,400円」が実際に支払う固定資産税の目安になります。
独立式ガレージを増設する場合はプラスで固定資産税がかかる一方、床面積を変更せずにビルトインガレージを増設する場合は固定資産税が下がるケースがあります。
増築時に固定資産税が上がるかどうかは、依頼先の施工会社に聞いてみるとよいでしょう。
まとめ
戸建てで設置されるガレージには、独立式ガレージ、ビルトインガレージ、リフト付きガレージの3種類があります。
敷地面積の限られる都心部などでは、建物の1階部分をガレージとするビルトインガレージに人気があります。
天候に限らず最短距離で車までアクセスできるため日々の暮らしが楽になるほか、別途駐車場をレンタルする必要がなく、節約にも役立つなどメリットの多いガレージです。
ガレージを設置する際には建ぺい率を超えないように設計する必要があるほか、固定資産税の支払い負担が増える可能性について理解しておく必要があります。
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敷地や建物にあったガレージはどれなのか、家づくりでお困りの際には営業担当者に話を聞くことも可能です。
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